ヤマネ式水耕は、作物の吸い上げで減った分を補給する循環利用方式のため、水の使用量が少なく、使うほどに良質の養液になるという理想の栽培環境です。なので、窒素肥料の地下水浸透、河川湖沼の富栄養化の問題も心配する必要がありません。無農薬・土つかずのため、調理時の洗浄水も少なくてすみます。さらに、農薬を使わないため、プラントの内側も劣化せず長期使用が可能。あらゆる意味で、環境保護・コスト抑制型の栽培法ということができます。
一般的な水耕栽培では、病害発生時に養液の廃棄とプラントの消毒を行って新たに生産を開始しなければならず、環境にさらなる負荷を与えることになりますが、ヤマネ式循環養液栽培では、万一、病害が発生しても養液を廃棄することはありません。ミネラル、有機酸のコントロールにより有用微生物などの勢力を速やかに増やして病害菌を抑制し、健全な養分と水に回復します。さらに、プラントを覆うビニールが農薬の影響を受けず長期的な使用が可能のため、環境だけでなく生産コストの面においても優れたシステムといえるのです。
コラム --- バーチャルウォーター
国内で生産される農業と畜産に使用される水は 580億トン以上、輸入農・畜産物の生産に使用される水はそれを上回る 680 億トンと試算されています。ということは、問題になっている食料自給率を上げようとすれば、他産業用のみならず生活用の水まで不足するというのが日本の現状なのです。
百年野菜は、こうした『バーチャルウォーター』の観点からも優れた野菜生産システムです。 作物が必要とする水分を補給するのみのため、国内外の水資源保護に少なからず貢献するものといえるでしょう。