(1)『水耕栽培・養液栽培は、根腐病等の病原菌に弱い』について

養液循環で、農薬を使わず病気をシャットアウト のページでも説明していますが、さまざまな無機栄養素と有機酸によって根圏の微生物群・有用細菌群を安定的に生育し、循環養液環境を最適温管理することで、化学的な殺菌・殺虫農薬を使用することなく病虫害の発生を防いでいます。1994年に北海道の第1号プラントで起きて以来、病害の発生・蔓延およびそれに伴う養液の廃棄処分等は一度も発生しておりません。植物の消化吸収器官ともいえる根の管理ノウハウは、1990年以来、かずかずの試行錯誤を経て獲得したヤマネ式循環養液栽培の最重要ポイントです。


(2)『ビニールハウス等で促成栽培される野菜は栄養価が低いうえ、 人体への悪影響の疑いが強い硝酸態窒素(硝酸塩)が高濃度である』について

栄養満点 のページでも説明していますが、百年野菜は養液も根も細胞も元気で 栄養満点。栄養価の分析結果においても高い数値を示しています。これも、病害発生対策と同じく、循環養液に関する長年の研究と実践の産物といえるでしょう。

硝酸塩の問題については

野菜が糖尿病をひきおこす!?
河野武平 著
宝島社新書
ISBN:9784796620185
2000年12月1日

に代表される危惧と批判が存在していますが
一方で

硝酸塩は本当に危険か  : 崩れた有害仮説と真実
J.リロンデル・J.L.リロンデル 著
越野正義 訳
(社)農山漁村文化協会
ISBN:9784540063015
2006年12月25日

のように、1945年の「コムリー報告」に端を発する「硝酸塩悪者説」を根底から覆す論文もあります。

読むとお解りいただけますが、フランスの医学者親子によって 1996年に出版されたこの本は とても論理的かつ誠実な論文で、硝酸塩の健康リスクについてすっかり世界中に広まった誤謬(ごびゅう)を、 データに基づいて一つひとつ冷静に解いています。「温暖化 CO2 悪者論」同様、社会にすっかり 根付いてしまった硝酸塩悪者説が信じられてきたような事実に基づいたものでなかったとしたら、 長いあいだ規制に苦しんできた農業者や、多大な規制コストを支払ってきた社会にとっては 取り返しのつかないことともいえるのではないでしょうか。
60 余年という長い歳月をかけて浸透しきった感のある硝酸塩悪者説ですが、 「硝酸塩は本当に危険か」は、ぜひ一度読んでみてください。

参考

農林水産省 独立行政法人 農業環境技術研究所
野菜中の硝酸塩に関する情報 本の紹介 222: 硝酸塩は本当に危険か --- 崩れた有害仮説と真実
硝酸塩 で検索!

コラム --- 百年野菜のファン、岡田元治氏のコメント

硝酸塩(または硝酸塩窒素)の問題は60年近くに渡って世界的に論じられてきた大きな問題であり、 百年野菜に関わるまでこの問題を知らなかった不勉強な私が単純に 是非を論じることはできませんが、すくなくとも15年間、試食をのぞき自家生産野菜ばかり食べてきた山根さん一家が健康そのものであることを考えると(とくに5人の お子さんは、小さい頃から父である山根氏がつくる野菜以外はほとんど食べ させてもらっていない!)、硝酸塩悪者説がそのまま正しいものだともいえない 気がします(「硝酸塩は本当に危険か」はかなり説得力のある本です)。

野菜が糖尿病をひきおこす!?」の p.42 に『高濃度の硝酸塩はインスリン依存糖尿病を引き起こす』という米国の研究者のおそろしい発言が載っていますが、2009年2月の検査で 「ほぼ糖尿」と診断されショックを受けていた私は、山根氏から『サンチュをベースにうちの野菜をたくさん食べると糖尿は治るよ』といわれ、半信半疑(おそるおそる?)ながら毎日、ウマ・ウサギのように百年野菜を食べつづけました。すると2ヵ月後の検査では、血糖値だけでなく、γ−GTP・中性脂肪・コレステロール・尿酸値(←54 歳の私は立派な痛風持ち!でもある)等々、生活習慣病のデータが、なんと、担当医も驚くほど劇的に改善されたのです。それも、節酒とか断酒とかをすることなく(←ここが大事!)、です。

この数値改善は、糖尿病の宣告を受けたショックから食事を控えめにして歩行量を増やす等の努力をした結果でもありますので、「百年野菜で血糖値が下がる!」といいきれるものではありませんが、少なくとも 『硝酸塩が糖尿病を引き起こす』ほどに悪いものだとしたら、2ヵ月の間、ウマのように 百年野菜を食べつづけた私の血糖値は、悪化こそすれ、劇的に改善されるということは なかったと思います。どちらにしても、今は糖尿病の悪夢が遠のいて結構しあわせな気分です(笑)。